septembre 19, 2015

マラソン大会の思い出

「やるなら全力でやらないと後悔する」と言ったのは小学校のときの友人だ。友人というほど親しくなかったかもしれないが、自分よりも体が小さい数少ない仲間だった。
マラソン大会のスタートの直前、世の中で一番嫌いな催しだ。これを、いかに切り抜けようかとそればかり考えていたから、彼の一言は衝撃的だった。その証拠に今でも鮮明に覚えているし、今でも尊敬している。
小学生の自分には何かを一生懸命やらないと後悔する、という発想がなかった。その時も「後悔」とは言わずに「気持ち悪い」といった言葉だったかもしれない。でも、彼の言っていることは、全く後ろ向きだったマラソン大会を、やる気にさせた強いメッセージだった。
結果はいつも通りの後ろから数えたほうが早い順番で、彼は自分よりも少しだけ前だった程度だった。でも、そんなことは関係ない、ということを心の底から知った。
「やるなら全力でやる」なんてシンプルかと思う。でも、そうなんだ。全力でやらないといけない。そこには自然体の自分がいて、ずるさが入る隙間すらなく、ただ全力でやる。
何かとマラソン大会のスタート前のように、最初から「勝てない」けど「やらなくてはならない」状況があるが、 そういう時に彼を思い出す。正々堂々と、正面から、全力でやる。
自分に聞く、「正々堂々と、正面から、全力でやってますか?」