novembre 11, 2006

じいちゃん婆ちゃんの活躍


友人の旦那さんが上海に転勤になるということで、来週は夫婦そろってアパート探しに上海に行くらしい。このご夫婦にはお子さんが2人いてその長女とうちの娘は同級生なので懇意にしてもらっている。 子供を連れて行くのかと思ったらそうではなく、旦那さんのお母さんがパリまで出てきて子供を2人とも面倒を見るそうだ。

フランスの子育てと日本の子育ては沢山違うところがあり、感心するところが多い。その中でも、じいちゃん婆ちゃんの助けは感心してしまう。 フランスは夏に長期の夏のバカンスを取る習慣があるが、特に若い夫婦は子供を両親にポイッと預けて二人だけでどこかに行ってしまう。

子供は物心つく前から一年の1ヶ月くらいは親から離れて暮らしている、ということになる。 なので、仕事で1週間出かけるからよろしくね、というのは当たり前だし、面倒を見る親御さんにとっても他愛もないことなのであろう。

もっとも、子育てに対して、「手を出すが、口も出す」らしい。「手は出さないが、口は出さない」あるいは「手は出さないが、口は出す」は、わが国の姿か。

この「きこえ」はなに?


娘が3歳になってから言葉を覚えるスピードの勢いが急激に加速したと感じる。語彙においてもそうであるが、作文というかロジックがかなりしっかりしてきた。また、自分は寡黙な部類であるが、娘は「機関銃」に近く、ずっとしゃべっている。ロジックがしっかりしてくると、ごまかしが聞かなくなるので親としても適当なことが言えない。昨日は「約束」ということについて、娘がしっかりと理解しているんだな、と感じた一幕があった。

夕方帰宅すると娘が「イチゴのお菓子食べたい」と言う。週末だし、今行っている現地幼稚園はおやつがないのであげることにするが、あまり食べ過ぎて夕食を食べないのは困るので「夕食を全部食べるんだよ」といってあげることにした。娘は「ハイ」と返事。
さて夕食時、残りあと少しというところで、想像通り「もういらない」と言い始めた。そこで「さっきお約束したでしょ。ハイって言ったでしょ」というと、「うん」といってまた食べ始めた。以前は言うだけでは、話が通じない、ことが多かったが、この晩は「自分が言ったことはやらなくてはならない」ということを娘はしっかりと分かっている様な気がした。

ところで、日本語もそうだがフランス語のほうも口数が多くなってきた。でも、かなりめちゃくちゃの様子。幼稚園の帰りに公園に寄って遊んでから帰るのが日課になっているが、娘は公園で「べらべら」と仏人奥様相手にやっているらしい。でも相手方は「???」で、妻が「彼女はこういうことを言おうとしている(と思う)」と通訳しているらしい。
これについてもすごい、と思うことがあった。サンテミリオンに旅行に行った時の夕食時、娘は自分の水がないので欲しい、と言い始めた。近くをウエイターが通った時「Monsieur, je veux d'eau,s'il vous plaît.」と言って水を自分で頼んでしまったのだ。私にとってはこの「水」、「d'eau(ド)」は発音が難しく、いつも困りものだったのだが。さすがだ。

でも、何か音がすると「この、きこえ、はなに?」と言っている。
どんぐりころころの歌も「どんぐりころころどんぐりころ」と言っている。

変だけど、これもロジックに感じる。

novembre 10, 2006

少林寺再開

事情があって春先から中断していた少林寺拳法の稽古を再開した。2月に受けた昇段試験も書類上の問題があったのだが何とかなる様子で安心した。(2段になるためには国際練習 le stage internationaleを2回以上受けてないといけないという規定があったため)
久しぶりに練習に出たら、あたらしい仲間が何人か増えていた。今日は級拳士の練習相手になって基本的な技をやりながら体を慣らすことに専念した。

novembre 09, 2006

地域間格差是正に対するフランスの取り組みと問題


フランスでは地域格差是正のためにどのような政策が取られているか?という宿題を頂いた。

フランスは広大で豊かな土地と、ヨーロッパの他国にもれず、陸でつながる隣国との複雑な歴史があり、その多様さは島国であるわが国よりも大きい。とりわけ仏国内に居住する移民の割合高さと出身国の種類の多様性は特徴的である。手元にある新聞記事の切り抜きによると2004年の仏国の移民の占める割合は8.1%となっており、日本は世界でも最低レベルの0.3%、また日本の75歳以上の高齢者の割合が8.2%ということなので、日常的には日本でご老人を見かけるのと同じ頻度で移民行き当たると想像すると分かりやすいかもしれない。また、日本では少子高齢化が大きな問題となっているが、問題の質は違うものの8.1%という割合がいかに大きな影響力を持っているかを想像する事ができる。

なお、出身国で見ると突出して多いのがアルジェリア、モロッコ、ポルトガル、でアジア地域からはベトナム、中国からが多い。近年の増加率(1999年と比較)に着目すると、イギリスが60%増、中国34%増、トルコ28% 増と高い。イギリスは高所得者が退職後に第二の人生を送るためにフランスに渡ってくるらしく、性格が他国の場合と異なる。中国からの移民は強力なコミュニティを形成しており、パリ市内の南部にも巨大なチャイナタウンが形成されている。個人的には爆発的な経済成長を続け、世界からも市場として注目されている中国から、その成長と同じ時期にこのような高い率で仏国へ移民が増加していることがなぜなのか疑問が残る。もっとも移民の受け入れ条件を厳しくする法律が今年可決されたことから、この状況も近く大きく変化することと思われる。(低層カテゴリをより厳しく、知識人、高層カテゴリをよりゆるくした)。
このような複雑な状況を背景に貧富の差や社会的な待遇の差が生じ、鬱積している。日本でも多く報道されたが、特に昨年から郊外で暴力的な反乱が頻発している。社会的なバランスが失われていることが問題になっている。

一方で特にインフラ整備に着目すると、高速道路網やTGV網が着実に整備され、主要都市ではどこでも最新型のトラムウエイを見ることができ、経済開発という側面ではうまくバランスを取っているように見える。

この宿題は幅が広くまたフランスの現在を象徴する問題だと思う。自分自身のこの国での経験を締めくくるためにも少し時間をかけて考えていきたい。

novembre 08, 2006

砂漠の戦争

「砂漠の戦争」岡本行夫著を読んだ。
僕は自分でも情けなくなるくらい一般常識がない。特にヒトの名前と歴史については手の施しようがない。しかし、間が悪いことに好奇心だけはあるのでいろいろと手を伸ばしてしまう。
奥克彦さんと井ノ上正盛さんのことはニュースで名前だけ知っていた。ちょうどこちらに赴任することが決まったころだ、大学時代の友人を自宅に招いて小さな宴会を開いた。話は思いがけずこの両氏の話題となったがしばらく沈黙の時間が過ぎたのを今でも鮮明に思い出す。それぞれに沈黙の理由はあったろう。でも自分の場合はこのときの戦争が自分の世界のものと感じていなかったからに他ならない。そういう無関心の自分に気づいて何かずーとしこりが残ったままだった。
岡本行夫氏のことをそれから3年もたって、しかもパリで知ったのはこれも単なる偶然に過ぎないが、この本を読むことで当時のしこりが少し解消された気がする。

novembre 07, 2006

ヨーロッパの大停電


11月4日の夜にヨーロッパで大停電が発生した。影響を受けたのは10カ国、延べ1000万人らしい。フランスはそのうち500万人の影響があったが、休日で夜も遅かったし、停電した時間が1時間程度だったので目立った事故は発生しなかった。
日本でも江戸川を上っていたクレーン船が高圧線を遮断して東京が長時間停電して混乱した事故があった。今回のヨーロッパの事故もそれと似ていて、ドイツの東北部で船の航行のために高圧線を一部遮断した事が原因となっている。こちらの場合は事故ではなく、通常の操作としてやったらしいが。

ヨーロッパは電気を輸出する国と輸入する国で成り立っている。フランスやイギリスは自給率が高いが、フランスにおいては隣接するスペイン、イタリア、ドイツ、ベルギー、ルクセンブルク等に輸出している。フランスの電力の特徴はいうまでもなく原子力。シェアはなんと8割に近い(日本は3割程度)。脱線するが、先日行ったボルドーのジロンド川沿いにも大きな原発が建っていた。地震がないから日本ほどの危険性はないかもしれないが、もし何か起こればボルドーのワインは今後一切飲めなくなる可能性がある。

新聞の報道を見ていると、ヨーロッパレベルで一括して電気配送を監理しているところは現在はないようだ。一方で、各国で民営化を進めているので、インフラ投資が後回しになっており、今回の停電の要因となっているとしている。

数ヶ月前のニュースではロシアからリトアニアへのパイプラインが、ロシアが保守点検のためという理由で長期間停止させた(ている?)という問題が発生した。これは民営化したリトアニアの石油エネルギー会社をドイツの会社に売却する事を決定した報復だと見られている。

日本は石油タンカーが着岸できなければまずいし、かといって原子力は地震があるから安全性が定かでない。地熱、波、風力などの新エネルギーに本気で取り組まなければならないと思う。

novembre 06, 2006

Lettre de demande


シャトー訪問は半ば先方の好意で受けてもらうものなので、ある程度の知識とコミュニケーションが出来るということが大切である。仏語であればなおさらよい。
今回はへたくそながらなるべく丁寧にメールを書いて送った。記念に残しておこう。

Madame, Monsieur,

Je me permet de vous envoyer ce mail pour vous demander un rendez-vous afin de visiter votre chatêau le 2 novembre à 10h00 avec ma femme et ma fille.

Nous sommes japonais et habitons a` Paris depuis 2 ans. Nous aimons beaucoup le vin francais.
Nous souhaiterions savoir si vous organisez des dégustations de vins.

Je vous reconaissant de bien vouloir me faire parte de votre disponibilité.

Je vous remercie par avance de votre reponce.

Cordialement,

写真はChatêau Pegeauxの畑