novembre 09, 2006
地域間格差是正に対するフランスの取り組みと問題
フランスでは地域格差是正のためにどのような政策が取られているか?という宿題を頂いた。
フランスは広大で豊かな土地と、ヨーロッパの他国にもれず、陸でつながる隣国との複雑な歴史があり、その多様さは島国であるわが国よりも大きい。とりわけ仏国内に居住する移民の割合高さと出身国の種類の多様性は特徴的である。手元にある新聞記事の切り抜きによると2004年の仏国の移民の占める割合は8.1%となっており、日本は世界でも最低レベルの0.3%、また日本の75歳以上の高齢者の割合が8.2%ということなので、日常的には日本でご老人を見かけるのと同じ頻度で移民行き当たると想像すると分かりやすいかもしれない。また、日本では少子高齢化が大きな問題となっているが、問題の質は違うものの8.1%という割合がいかに大きな影響力を持っているかを想像する事ができる。
なお、出身国で見ると突出して多いのがアルジェリア、モロッコ、ポルトガル、でアジア地域からはベトナム、中国からが多い。近年の増加率(1999年と比較)に着目すると、イギリスが60%増、中国34%増、トルコ28% 増と高い。イギリスは高所得者が退職後に第二の人生を送るためにフランスに渡ってくるらしく、性格が他国の場合と異なる。中国からの移民は強力なコミュニティを形成しており、パリ市内の南部にも巨大なチャイナタウンが形成されている。個人的には爆発的な経済成長を続け、世界からも市場として注目されている中国から、その成長と同じ時期にこのような高い率で仏国へ移民が増加していることがなぜなのか疑問が残る。もっとも移民の受け入れ条件を厳しくする法律が今年可決されたことから、この状況も近く大きく変化することと思われる。(低層カテゴリをより厳しく、知識人、高層カテゴリをよりゆるくした)。
このような複雑な状況を背景に貧富の差や社会的な待遇の差が生じ、鬱積している。日本でも多く報道されたが、特に昨年から郊外で暴力的な反乱が頻発している。社会的なバランスが失われていることが問題になっている。
一方で特にインフラ整備に着目すると、高速道路網やTGV網が着実に整備され、主要都市ではどこでも最新型のトラムウエイを見ることができ、経済開発という側面ではうまくバランスを取っているように見える。
この宿題は幅が広くまたフランスの現在を象徴する問題だと思う。自分自身のこの国での経験を締めくくるためにも少し時間をかけて考えていきたい。
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